シティサイクルの大修理事例ご紹介PART2【京都 自転車 サイクルケア】
2020/12/29
こんにちは。京都府の中央部に位置する京丹波町の自転車店CYCLECAREの小林です。
昨日に引き続き修理です!
先ずは、ヘッドパーツから交換。
少しでもコストを抑えるために中古品を使用した。
グリスアップをして組みつけ。
次に、破損が酷かったカゴの交換。
大きめのカゴを付けた。大きさ比較のためにペダルを入れてみました(笑)。
次に、前ブレーキ本体の交換。
少しガタつきのある中古品を使用。整備してこれを使用しました。
この中古品のブレーキ本体は、少し普通のと違う。
バネだ!
微妙でマニアックすぎるぜ!写真の部分は樹脂を使われていることが多い。
↑これが普通のブレーキです。
今回使用する物には樹脂がない。その代わりにバネの形が工夫されている。性能に大きな違いは無さそう。私自身、長期に渡ってこの樹脂無しバネのブレーキを使用したことが無いです。これを使っているお客さんもあんまり知りません。だから、しばらく使用してどんなトラブルが起こるのか分かりません。データを取るいい機会なので、今回はこのブレーキを採用しました(笑)。自転車屋さんが「どんなトラブルが起きるのか分からない」なんて言うと不安に感じる人も居るでしょう。安心してください。ブレーキのアームとバネがメタルタッチしているので、その辺の摩耗具合が普通のブレーキと違うかな?という予想とか、なんだかんだ考慮して、このブレーキを採用しているので、安心してください(^-^)
本当に「大丈夫なのか?」ってパーツは自分の自転車で検証するようにしています。
次は、ブレーキシューの交換。
カチカチになって柔軟性を失った古いものは廃棄。柔軟性のある新品に交換。
次は、グリップの交換。
古いものはカッターで切ってゴミ箱へ。
次は、シフトワイヤーの潤滑。
シフトワイヤーを開放して、少し動くようにしてシリコンスプレーを良い感じに注す。
今回は本気を出さないと潤滑出来なさそうなので、ワコーズのシリコンだぜ!
シリコンを注しやすい場所にはモノタロウシリコーンを使う場合も有る。
ワコーズとモノタロウを使い分けている理由は、コストを少しでも安くするためです。モノタロウは約200円、ワコーズは約1600円。モノタロウに比べてワコーズは約8倍値段が高い。使える所ではモノタロウを使う事によって、最終的にお客さんが負担するケミカル代を安く抑えているのです。決して私がケチだからワコーズを多用しないわけじゃないですよ!
次は、シフターのカバー&グリップ部分の交換。
シフターの駆動部分にもシリコンを注す。カバーとグリップ部分を交換したら、まるで新品のようにキレイになる。
次は、ブレーキレバーの交換。
全力で握ったら折れそうな劣化したブレーキレバーを外して、新しく取り付けるのも樹脂タイプ。アルミのレバーをだと制動力が上がる場合があるので、アルミ製のブレーキレバーをおすすめする場合が多いのですが、今回は諸事情により、樹脂製の物を採用。
次は、ブレーキワイヤーの交換。
フロントは、アウターを新品に交換。インナーはリアの物を流用する。
リアはアウターとインナーの両方を新品に交換。
次は、ペダル交換。
これは中古品をグリスアップして使う。
その次は、BB交換。
一応フレームの精度を上げるために、ネジ山を立て直す。このタッピング作業をしておかないと、組みつけ後の玉当たり調整がやりにくい。
そして、中古品のBBをグリスアップして組みつけ。
その次は、シートポスト&サドルの交換。
シートポストはサビが多かったので交換。イメージが無い方も多いかも知れませんが、サビていると強度が落ちます。走行中に曲がったり、折れたりしますので交換しました。
交換の際に違和感を感じた・・・。シートレバーをグイっと締めてもシートポストが動く・・・。
実はこれはたまにある。原因はシートポストが入るフレーム部分(シートチューブ)の穴が広いことだ。
解決策はシートポストが入るフレーム部分(シートチューブ)の穴をギリギリシートポストが入るくらいに狭くしてやればいいのだ。作業手順はシートポストを抜き、空っぽの状態でシートレバーを回す。そうするとフレームがギュギュギュッと縮まっていく。縮めすぎると広げなきゃいけないので作業は慎重に進める。今回は良い感じのサイズにすることが出来ました。
サドルは程度の良い中古品があったのでそれに交換。
グリップやサドル等の直接触る部分は新品に交換するのをおすすめする場合が多いですが、たまたま良い感じの中古サドルが手に入ったので採用しました。
次は、ローラーブレーキグリースの補充。
ブレーキにグリス?違和感を感じる人も居るかも知れませんが大丈夫です。専用品のグリスを使う事で、ブレーキを長持ちさせることができます。
このグリスが少なくなってくると、制動力がめっちゃ上がります!下品なくらいに爆上がりします。そして、ブレーキングの際に大きな異音が出ます。
「制動力が上がるのならいいんじゃない?」って思う方も多いと思いますが、ダメなんですよ。グリスが切れるとブレーキ内部のパーツの消耗が激しくなり、消耗しきってしまうと、ブレーキが効かなくなります。
パーツを長持ちさせる意味でこのグリスは必須です。ただ今回は、修理依頼が来た時にグリスがほとんど無くなっているのに加えて、前後タイヤに空気が入らないため、走行テストが出来ませんでした。だから、内部パーツの消耗具合が判断できませんでした。
結果、今回は内部パーツが無事だったので、グリスの補充だけで大丈夫でした。
次は、タイヤとチューブの交換。
フロントのタイヤ&チューブは新品の物に交換。
リアのタイヤはフロントタイヤを流用、チューブが新品に交換。
リアタイヤを新品にしなかった理由は、フロントについていたタイヤがかなり頑丈だったから。たぶん新品よりも強い!その分重量が重い(;^_^A
次は、いよいよホイールをやっていきます!
フロントホイールはハブの交換をします。
ハブの交換ということは、スポークとニップルを外して、ホイールをバラバラにしていく。スポークは再使用するので、丁寧に外す。
フロントハブ(ハブダイナモ)は中古品を使う。ニップルはリムとの削れがあるので、用心のために新品に交換する。
リアのホイールは、まずはハブ(内装3段ハブ)のグリスアップを済ませてリムを見よう。かなり大きく曲がっているので、フロントホイール同様にバラしていく。スポークとニップルが固着して外れない部分が幾つかあったので、交換が必要になってしまった。
当初の予定では、リム&ニップルだけ交換して、スポークの交換はしないつもりだったのに・・・。
スポークの交換が必要ということで、ステンレスリム→アルミリムに変更することにした。
ステンレスリム↑
アルミリム↑
ステンレスリムは曲がりに強いが、アルミリムに比べて極端に重たい。アルミリムは強度は普通だが、ステンレスリムに比べてかなり軽い。
リムやタイヤの重量は走行にかなり影響する。だから、軽量なアルミリムに変更することにした。
ただ、この自転車のオーナーはかなり大きめの男性。よって、強度もしっかり確保したい!うーん・・・。
あっ!
ホイールの組み方を工夫することにしました!通常6本組みの場合が多いシティサイクルのホイールですが、今回は8本組みにすることにしました!
えっ!?マニアック過ぎて何言っているのか分からないって?
安心してくれ!私もよく分かっていない(笑)。
要は6本組よりも8本組みの方が頑丈なのだ!
どのくらい丈夫になるのかは、よく分かないです(;^_^A
なんせ8本組みは初めてやるので・・・。
やってみた結果は・・・。あんまり6本組と変わらない・・・。たぶん、リムの強度不足なんだろうな?シティサイクルのリムは、シングルウォールだから剛性が低い。それが如実に出ましたね。これからお客さんに運用してもらって、どうなっていくのか。経過観察が楽しみです!
ふ~う。ひとまず終わったぜ(^-^;
昨日の朝に走行テストをしました。念のため16kmほど(^-^;
大体時速17kmほどのスピード。大体1時間ぐらいかかっちゃいました。
朝5時に出発して6時に帰ってきました。道路に表示されている温度計は-2度。熱くなって、グローブをしばらく外していましたが、その温度計を見た瞬間に寒くなっちゃいました。
では感想を・・・。
やはりリアホイールの剛性の低さは他のシティサイクル同様に感じました。強度的には6本組とあんまり変わらないかもしれないなぁ(´・ω・`)
ブレーキやシフトの感じはいい感じ!ブレーキの制動力も正常!フロントがステンレスリムだから、ブレーキシューが削れたカスでリムを汚すことが少ない。アルミリムだと割と汚れちゃう。
シフトワイヤーに注したワコーズのシリコンはしっかりと役目を果たしている!
心配していたクランクのギアの曲がりだが、大丈夫そうだ。チェーン脱落や、チェーンカバーに当たって異音がすることもない。いや、上り坂等で踏み込むとチェーンカバーとチェーンがちょっと擦れる音がする。まぁ、許容範囲内だろう。
交換したヘッドパーツやBB、ペダルは特に違和感無くいい感じ!
カゴが大きいのも良いね!
まぁ良い感じにできました!これでまた長期運用可能!
ただしリアホイールは要経過観察。ってとこですかね。
こんな感じで、古い自転車でも修理が可能です。
お客様に予算を提示して頂ければ、それに合わせた作業をしていきます。
こんな方や、こんなタイミングでのご依頼が多いです。
・お兄ちゃんから弟ちゃんへ自転車が渡る時。
・お姉ちゃんから妹ちゃんへ自転車が渡る時。
・倉庫で味のある自転車発見した方。
・自転車が必要になった。自宅に自転車はあるが、数年放置していた方。
当然新車よりも安く済ませたい方が多いので、シティサイクルなら1~1.5万円の予算の方が多いです。
シティサイクルだけでなくスポーツ自転車の修理も得意です!
スポーツ自転車なら、カスタマイズの幅が広いので、元通りに修理するよりもグレードアップや全然違う性格のバイクへのカスタムを希望される方も多いです(^^)/
ご相談はお気軽に京丹波町の自転車店CYCLE CAREまでどうぞ!